スーパーサイエンスハイスクール

文部科学省では、将来の国際的な科学技術関係人材を育成するため、先進的な理数教育を実施する高等学校等を「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」として指定し、学習指導要領によらないカリキュラムの開発・実践や課題研究の推進、観察・実験等を通じた体験的・問題解決的な学習等を平成14年度より支援しています。

本校は、平成24年度から28年度までの5年間研究指定を受け、平成29年度・平成30年度は経過措置として、支援を受け、研究開発の成果の継承と発展を行っています。

経過措置【平成29年度~平成30年度】

研究課題

農業系専門高校として、バイオ、食品、環境分野の科学技術者の養成を主眼に、生命系科学技術の取り扱いの素養に富む人材育成に貢献する科学技術教育プログラムの開発

研究開発の概要

SSH1期目の研究から、課題研究の本格実施前に、系統だった科学的リテラシーを学ぶことがその後の課題研究への積極的な取組に有効に働くことが明らかになった。それを踏まえて、1年生の全学科に対して、学校設定科目として共通科目『研究基礎』を実施し、科学的リテラシーの醸成を図る。『研究基礎』は、学ぶ喜びをまず体感することで学習意欲を向上させ、基本的な実験手法や、レポート作成、プレゼンテーション、ポスター作製などの研究手法の基礎を学ぶ科目として位置づける。それらの技術を習得させることで、2・3年次に各科で展開される課題研究において、生命科学技術の取り扱いの素養を持つ人材育成に取り組んでいる。

成果報告書

指定1期目【平成24年度~平成28年度】

研究課題

平成24年度~平成25年度

「農業系専門高校として、バイオ、食品、製薬、化学、環境分野の科学技術者の養成を主眼に、生命系科学技術の取扱いの素養に富む人材育成に貢献する科学技術教育と農業高校生の基礎学力・英語力向上の教育プログラムの研究開発」

平成26年度~平成28年度

「農業系専門高校での科学技術教育と英語力向上教育」農業系専門高校での科学技術と英語力向上の教育プログラムの開発

研究開発の成果

農業高校である園芸高校から科学技術系人材を送り出すために、備えるべき基礎的な要件として「科学技術教育」「英語力向上」「基礎学力向上」が挙げられた。園芸高校の教育活動の中でこれらを備えることを実現するために、教育課程を中心に多くの取り組みがなされ以下に示す課題があることに到達した。

科学技術教育について

科学技術系人材に求められる使命感・責任感・倫理観の養成が生徒研究活動と発表活動を主体とした本校SSH事業の参加生徒に対して有効に作用しているかを検証するためのアンケート調査を昨年度に引き続き行った。その結果のうち、バイオサイエンス科の生徒において豊富な実験実習に起因すると思われる実験に対する倫理観の低下傾向が昨年に引き続き確認されている。その対策として意図的な実験に関する倫理教育が必要であることを指摘している。

英語力の実質的な向上について

多くの時間を費やし、教育課程の工夫により英語力向上を図ってきている。その成果は、生徒研究総合発表会における英語による研究発表会場へのSSHコース生を含む校内からのエントリー数が第三年次の2件から第四年次の6件に増加することに現れた。さらに平成28年度、本校主催の農業高校生の英語研究発表会の実施に際し、本校内で英語研究発表会の予選会をおこなったがこれには、19名が14件の研究発表を英語で行った。このような量的向上が認められるとともに、農業高校生の英語研究発表会における上位優秀表彰4件のうち2件が園芸高校の生徒であったことにより、質的な向上も説明できた。

一方、英語力向上の実質的な評価基準として、実用英語検定への参加を促しており、準2級の取得を英語力習得の目安としている。着実に英検準二級合格者を出せるとともに、平成28度は2級合格者も2名出すことができた。

成果報告書