学校長あいさつ

 

大阪府立園芸高等学校 学校長

神 絵里香 Erika Jin

4年度より本校学校長に就任し、3年目を迎えました。この間多くの生徒たちと共に学びを深めてまいりました。学校長としてより一層生徒たちの学びの充実に尽力したいと決意を新たにいたしております。

本校は1915年(大正4年)に豊能郡立の農林学校として開校し、本年度、創立109年目を迎えました。

卒業生は地元池田をはじめ多くの地域で農業・園芸・造園に携わる方々、食品関連産業や行政機関・教育機関等幅広い分野で活躍しています。

現在、フラワーファクトリ科、環境緑化科、バイオサイエンス科の3つの学科を設置し、百年を超える歴史の中で培ってきた伝統、経験やネットワークを活かし、地域や企業、大学、農政等との連携・協働による実践的な学びを積極的に推進しています。

府立高校として最大の校地(約11ha、甲子園球場3個分相当)を有し、野菜・果樹・草花・園芸デザインについて学ぶことのできる広大な農場をはじめ、緑豊かな教材林に囲まれた庭園、コンピュータ制御温室、人工気象室やDNAシーケンサ、電子顕微鏡など国の研究施設並みの設備を整えています。また、昨年度はスマートスクール事業により、最新の温室設備・実験設備が導入され、今年度からは、DXを授業の中に取り入れ、先進的な技術を学ぶ予定です。

それらを通じ、高度な専門技術・知識を身につけるとともに、課題発見・解決能力を高めた生徒、地域社会の活性化を担い地域創生の原動力となるべく、素養を身に付けた生徒の育成に向け、教職員一同、日々の教育活動に取り組んでいます。

特に、平成24年度から30年度までの7年間、文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の研究指定を受け、バイオ、食品、環境分野の科学技術者の養成を目標に、生命系科学技術の取り扱いの素養に富む人材育成に貢献する科学技術教育プログラムの開発につなげることができ、昨年度より2年生で学校設定選択科目として、「探究創造」という教科に取り組み、生徒の課題解決の能力の醸成をしております。

さらに、令和2年度から独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)より「知財力開発校支援事業」の指定を受け、「園芸高校ブランド」の開発をめざし知的財産教育を積極的に推進していくこととしました。昨年度は、そのプログラムを利用し、園芸高校ブランドとして、フラワーファクトリ科の生徒が「特製ソース~今年はこの味~」とラベルやブランドコンセプトも生徒たちが考え、企業と連携し販売をいたしました。

また、「自立支援コース」を設置し、「共に学び、共に育つ」という理念に基づき、知的障がいのある生徒がいきいきと学ぶことのできるカリキュラムや授業の工夫も行っているところです。

これからも、農業高校としての機能を最大限に活かし、社会や産業の発展に貢献できる人材を育成することにより、地域に信頼され、誇りとされる学校をめざしてまいります。

そして、外部での生徒発表やホームページなどを通じ、本校の教育成果や魅力ある多彩な取組を積極的に発信してまいりますが、何よりも生徒たちが明るく楽しく生きいきと農業を学ぶ姿が本校の一番の魅力でもあります。

学校見学会、体験入学会等をご活用するなど、ご来校いただき、ぜひとも、そのユニークな教育活動を実感してください。