オーストラリア研修5日目
オーストラリア研修5日目です。いよいよこの研修も終わりが近づき、生徒たちはもう少し長くいたいと思っているようです。さて今日は、ロッキャーバレーのツアーから始まり、ロッキャー高校でのホストファミリーとのお別れ会という中々密な一日でした。
まず我々はこの内陸地で魚を養殖している農家さんを訪問しました。この農家さんは4世代にわたり畑だけで生計を立てていたのですが、もっと安定して効率よく収益を得るために、魚の養殖を始めたそうです。オーストラリアではよく食される3種類の魚の養殖を行っていました。下の写真はその水槽の一つです。
非常に、水槽自体も大きいのですが、その中に約500匹もの魚が養殖されています。網を借りて生徒が水槽の中でかき混ぜるだけですぐ何匹も捕えることができました。効率よく育てるために種類により水槽を分け、他の魚を食べないように育成していました。また、水の浄化にはバクテリアを使用し、薬品を使用せず安全かつ衛生的に作業が行われていました。しかしながら、水のくみ上げ等で電力を消費するため、もし停電等が起こると20分程度で魚が全滅してしまうというリスクを抱えています。全滅を防ぐため、小さい町1つ分を賄える程度の発電機を購入し、運用していると聞き、生徒はスケールの大きさに圧倒されていました。
またここでは養鶏も行われており、一つの空間で大量の鶏を肥育するのではなく、小さい空間に少しづつ鶏を飼育し、日々草を食べさせて育て上げるという自然に近い手法をとっていました。そのため病気にもかかりにくく、身がおいしい鶏を育成できることで、市場価格も通常の鶏の2倍とのことでした。その鶏舎の様子が下の写真です。鶏舎は移動式で、その場所の草がなくなると別の場所に移すことを繰り返し行っていました。
さらに、雌鶏も別の所で飼育されており、古いキャラバンカーを再利用して鶏舎を作成し、卵を生産させていました。こちらでも鶏が自由にのんびりと飼われており、みな穏やかに動き回っていました。
次に我々はレタスやブロッコリーなどの野菜の苗を作っている工場へと向かいました。場所の名前が「コアラファーム」だったので、生徒は皆いつコアラと触れ合えるのだろうとワクワクしていました。残念ながら、コアラはおらず、オートメーションで野菜の苗が作られている様子しか見れず若干落胆気味でした。ほとんど人の手が必要でなく、種の植え付けもすべて機械で行われている様子に感心していました。
また、コアラファームそばにマカダミアナッツが生えており、落ちている種を割り、みな無心で食べていました。
最後に野菜の生産と袋詰めまで行っている工場の見学を行いました。主にコーン(スイートコーンやヤングコーン)と豆類を取り扱う会社で、今日見学した工場ではコーン類のみ扱っていました。収穫されたコーンがどんどんラインに流され、電動鋸で切られ、袋詰めまで行われている様子を見ましたが、我々が最も驚いたのは、その過程で発生するごみの量でした。一見するとほんの一粒だけが傷んでいるものや、パッと見ただけではどこが悪いのかわからないようなものまでも大量に廃棄され、非常にもったいない印象を受けました。会社の方もその部分には心を痛めているようで、再利用して家畜のえさにしたり、コンポストを用いて土に還したりしているようですが、処理が追いつかないような量が出ているそうです。生産している農家に生産量と廃棄量の割合をフィードバックすることで、より無駄の少ない生産を目指しているそうです。
これらの非常に大きなスケールの農業を見たのち、高校に戻り、お別れ会に向けての準備をしました。今年は生徒全員で「恋ダンス」を披露しました。練習の時間が取れない中で一生懸命踊っており、立派でした。
生徒が今回関わっていただいた現地の方々にお礼を言い、その後、コーディネーターの方から各生徒に修了証が渡され、皆で記念写真を撮って解散となりました。きっと最後の夜は皆で楽しく過ごしていることと思います。
明日はスプリングブルック国立公園へ向かい、深夜出国する予定です。