オーストラリア研修4日目
今日は曇りのため、昨日までより気温があまり上がらず過ごしやすい一日でした。生徒たちはオーストラリアの温暖な気候に慣れ始めており、朝が寒かったと口々に言っていました。
昨日,具合が悪かった生徒も、大量の食事と睡眠とで完全回復しており、全員が揃って元気よく今日のプランを始めることができました。
今日は初日にも少し見学したクイーンズランド大学の詳細な見学をしました。
まず大学到着直後、車を乗り入れてすぐの開けたところで飼育されている馬の観察からスタートしました。非常に広々とした土地で悠々と草を食んでいました。写真に写っている区画では生後5か月~8か月程度の仔馬と、その母親の馬がいました。母親の首には万歩計が付いており、乳の出方と運動量との相関関係の調査が行われていました。どの馬も非常におとなしく、我々が近づいても気にすることなく食事を続けていました。
次に実験農場の一つへ移動しました。写真に写っているトラクターはGPSで制御され、無駄なく効率よく農薬の散布ができるハイテクなものでした。しかしながら我々がまず驚いたのはそのトラクターの大きさでした。オーストラリアでは小さい方の部類に属すると聞き、日本とのスケールの差に驚きました。ちなみに引率教員も含め全員助手席に乗り、ハンドル操作なしで正確に運転している様子を体験しました。
すぐそばに研究所が建てられており、実験農場にすぐサンプルを運んだり、回収したりと利便性が高い立地条件でした。その中で、オーストラリア北部の名産品であるマンゴーの熟成に関する研究を研究員の方から説明いただきました。非常に単純なことですが、輸送時にいかにロスを少なくし、手間も減らすことができるかを日々研究している方がいるからこそおいしい果物を我々が享受できると改めて実感しました。
続いては、植物の生育環境に関して研究している方からのお話を伺いました。まず研究には大量の植物サンプルが必要となるため、生徒たちは挿し木による培養の手伝いを行いました。研究員の方からオーストラリア固有の植物の共通する特徴を実物を交えて説明いただき、その木を切って小さいポットへと植えました。生徒は皆手際よく、特にフラワー科の生徒は日々の実習の成果を如何なく発揮していました。
オーストラリアでもここブリスベン周辺は気候が高温で湿度が低いため、植物にとっても非常に苛酷な条件となっています。そこで、日照量や温度、湿度、土壌を変化させることで生産効率がどのように変化するか、また、害虫・害獣に対して農薬を使わずに強い品種を探す等の研究の様子を見てまわりました。その中に稲もあり、生徒はお米が非常に恋しくなっていた様子でした。
お昼は大学のカフェテリアで、ビュッフェスタイルの食事をとりました。種類は違いますが、お米を食べることができて感動していた生徒もいました。また、ホームステイ先と違い、自分で好きなものを好きなだけ食べることができ非常に満足していました。
午後からは、野生動物教育研究施設に向かい、絶滅危惧種やオーストラリアの固有種に触れる体験をしました。その研究施設の入口付近にヤギが大量に放牧されており、我々の気配を察知して押し寄せてきました。生えている草をちぎって餌やりをしましたが、ものすごい勢いで寄ってくるので、途中であきらめて施設に入りました。
まず初めにワラビーの一種である絶滅危惧種のタヅナツメオワラビーを見せていただきました。写真ではわかりにくいですが、非常に小型で、ジャンプ力も最大30cm程度と運動能力がそこまで高くないものでした。
続いては様々な爬虫類と触れ合い、触ったり抱っこしたりと非常に生徒たちもはしゃいでいました。
最後はつい二週間ほど前に生まれたモモンガの赤ちゃんとその親とを観察しました。飛ぶ様子は残念ながら見れませんでしたが、滑空の際に広げる膜の部分をしっかりと見ることができました。
かなり盛りだくさんで充実した1日でしたが、研修も終盤に入り、もっとこの地で様々なものを見たいとの想いが強くなっていました。明日はロッキャーバレーに向かい、また様々な動植物と触れ合う充実した一日になりそうです。