SSHオーストラリアアグリサイエンス研修の実施報告
園芸高校スーパーサイエンスハイスクール研究指定校事業の重点項目の一つである「国際性の育成」に関連して、科学技術振興機構より支援を受けオーストラリア国アグリサイエンス研修が次の通り実施されました。
第4回目となる今回、希望するバイオサイエンス科2年生5名が校内研修と選考を経て、派遣されました。
第1日目(3月7日月曜)
ブリスベン空港で入国手続き後、マウントクエーサー、ブリスベン市内を見学後、研修活動先であるロッキャー・ディストリクトハイスクールに移動しました。下の写真はマウントクエーサーから望むのブリスベン市の風景です。
ウエルカムパーティーで研修期間中お世話になるホストファミリーと対面しました。 このホストファミリーの方々には、最終日まで宿舎として本校生徒を受け入れていただきました。本校生徒は分宿する中、オーストラリアの家庭教育ではぐぐまれる自主性や文化についても体験的に学習することができました。また、リアルな英語環境を経験し、実践的に英語力を磨くことができました。
第2日目(3月8日火曜)
ロッキャー高校で統合授業に参加しました。その際、記念の植樹を行いました。その後、生物学の講座(生物の授業)で、園芸高校での各生徒の研究活動とその成果についてプレゼンテーションを行い、質疑や意見交換、感想など生徒間で交流しました。
午後は、ガットン自然公園でこの地域の自然環境、生物相について研修を受けました。
第3日目(3月9日水曜)
朝からクイーンズランド大学で農業研究講義を受講しました。午前中は、あいにくの雨でしたが、広大な敷地の中、企業との共同研究や、オーストラリア特有の植物や動物についての特別講義を受けました。その後、大学の先生方や学生の皆さんの前で、研究活動のプレゼンテーションをしました。英語でのプレゼンテーションについて、クイーンズランド大学の先生からは、「母国語ではない英語でしっかりとしたプレゼンをしており、内容的にも大学生レベルに達している」とのお褒めの言葉をいただきました。
午後からは、オーストラリアの固有種や希少種を保護育成する施設を見学させていただき、実物にも触れる体験をさせていただきました。
第4日目(3月10日木曜)
ガットン地区におけるアーストラリア農業について研修を受けました。
初めに、生産から加工まで行うラグビーファームという大きな企業を見学しました。その後、葉物野菜をオートメーションで育成する農場、作物の育種や品種改良をする企業、地下水をくみ上げ魚を養殖している農場を見学させていただきました。農場の横で、マカダミアナッツの木をを見つけました。日本とは異なり、すべてが大規模で、かつオートメーション化されていることに驚かされました。
見学終了後、フェアウェルパーティーにおいて、ホストファミリーとなって宿舎を提供していただいたロッキャー高校関係者のみなさんや先生方に、歌やダンスを見ていただきました。(多芸多才な園芸生ですね)
第5日目(3月11日金曜)
ガットンを離れ次の研修に出発しました。あいにくの雨の中、スプリングブリック国立公園でオーストラリアの自然環境と生物相についての研修を受けました。スプリングブルック国立公園は世界遺産にも指定されており、古代の植生(雨林)と現代の植生(乾燥したユーカリなどの植生)が同時に見られるという特有の環境を、実物に触れながら研修を受けました。カランビン海岸でも自然環境、生物相について研修を受けました。
総ての研修を通して、英語での学習になる中、一生懸命聞き取り、コミュニケーションを取ろうとする生徒諸君の姿に、将来のプロフェッショナルの片鱗を感じることができました。きっと彼ら彼女らの中から、日本の農業や環境保全の合理性を鍛え、一層強靭としてくれる人材が現れてくれることを期待します。
現在、参加生徒のレポートを中心に海外研修実施報告書がまとめられつつあります。完成後はダウンロードできるようにしますのでご一読ください。